インタビュー#排水処理における活性炭とは?排水処理の水質浄化と工業用活性炭の廃棄からリサイクルへ!活性炭交換作業について

インタビュアー:Oさん
回答者:Yさん
ー 活性炭とは何ですか?
活性炭とは、木材やヤシ殻、石炭などを原料として高温処理し、無数の微細な孔(あな)を持たせた炭素材です。
最大の特徴はその表面構造にあります:
- 非常に細かい孔を多数保持
- 表面積が非常に広い(1gあたり数百~1000㎡以上)
この広い表面に汚染物質を付着させることで、水をきれいにする働きを持っています。
身近な例では、蛇口に取り付ける浄水器などにも活性炭が使われています。
一般的な排水処理では、薬剤処理やUF膜廃水処理装置によって汚れた水をある程度きれいにしますが、それでも河川や下水道へ放流する基準を満たせない場合に、活性炭を使用します。
ー どのような場合に活性炭を使用するのでしょうか?
地域ごとに定められた排水基準内に水質を収める必要があります。
一次処理である薬剤処理やUF膜処理だけでは基準を満たせない場合、活性炭に汚れを物理的に吸着させることで、水質を改善します。
処理方法はほかにもありますが、COD※という廃水基準を超過している場合に、活性炭を使って基準値内に抑えるケースがあります。
※COD(化学的酸素要求量/Chemical Oxygen Demand)とは、水中の有機物などを酸化する際に必要となる酸素量を示す水質指標の一つです。海域や湖沼の環境基準などにも用いられています。
ー UF膜装置だけでは処理しきれない水に、追加処理として活性炭を使うイメージですか?
はい。UF膜で処理した水を、さらに活性炭によって浄化していくイメージです。
薬剤処理の場合は、粉末活性炭を排水に直接投入して、その後薬剤処理する場合もあります。
UF膜装置は薬品を使用しないため、8~32mesh程度の粒状活性炭を使用します。
ー メッシュとはどのような単位ですか?汚れによって大きさを変えるのでしょうか?
はい。活性炭には粒の大きさがあります。
活性炭の粒の大きさ(粒径)を表すための単位で、ふるい分けの基準として使われます。
活性炭の一粒一粒には微細な穴が数多く空いており、水を通すことでCODの原因となる物質などがその穴に入り込み、吸着されます。その結果、水質が改善されていく仕組みです。工業排水の連続処理では、やや粗い粒(低メッシュ)を使用することが多いです。
ー 活性炭交換作業はどのような流れで行われますか?
会社様の規模によりますが、今回事例としてご紹介する製缶会社様では、1日の廃水量が数百トンにのぼります。活性炭塔には、1塔あたり約5,000リットルの活性炭が入っています。
活性炭塔の下部にはマンホールのような開口部があり、そこからバキューム車を使って使用済みの活性炭を吸引し、フレコンバックへ移して回収します。
その後、塔内を清掃し、上部の開口部から新しい活性炭を投入します。これが一般的な交換作業の流れです。
ー 吸引された使用済み活性炭は産業廃棄物になるのでしょうか?
一般的には産業廃棄物として処理されます。ただし弊社では、使用済み活性炭の引取も行っています。(交換作業含む場合に限る) 使用済み活性炭を再生し、再生活性炭として新炭より安価に提案できることと産業廃棄物が削減できることが喜ばれる要因です
そのため、現在新品の活性炭を使用し、交換後に産業廃棄物として処理している場合は、まず産廃処理費を大きく削減できる可能性があります。
弊社では、使用済み活性炭を引き取らせていただくため、その分のコスト削減につながります。
さらに、活性炭は新品同様のレベルまで再生されます。再生活性炭を活用することで、活性炭にかかるコストをおよそ半分程度まで抑えられる可能性があります。
新品の活性炭を使用し、使用後は産業廃棄物として処理しているお客様に対しては、全体のコストを約50%削減できる可能性がございます。

ー 水だけでなく活性炭もリサイクルできるのは、環境面でもメリットがありますね。交換頻度はどれくらいですか?
交換頻度は、廃水の性質や活性炭塔の容量によって異なります。今回のお客様の場合は、年2回の頻度で活性炭を交換しています。もとの廃水の汚れが強いほど、活性炭は早く目詰まりしやすくなります。
一方で、水質が比較的きれいであれば活性炭の消耗も少なく、長期間交換せずに使用できる場合があります。
ー 交換作業の際に注意している点はありますか?
交換時には、作業員が活性炭塔の内部に入り、バキューム車で使用済み活性炭を吸引します。その際、十分な換気を行わないと酸素欠乏の危険があります。また、場合によっては硫化水素が発生していることもあり、吸い込むと非常に危険です。
そのため、塔内に入る前には必ず硫化水素濃度と酸素濃度を測定し、安全を確認したうえで作業を行うことを徹底しています。
また、ユニック車で新しい活性炭を上部から投入する際は、塔の大きさによって5〜10メートルほどの高所で、約1トンの荷物を吊り上げる作業になります。荷物事故が起きないよう、十分に注意して作業しています。
ー 活性炭交換作業は専門業者が行うのでしょうか?
活性炭塔の大きさや現場の規模によって異なります。今回の事例では、5,000リットルの活性炭塔を4塔交換するため、2日間に分けて2塔ずつ交換しています。
規模が大きいため、委託会社様や協力会社様にも入っていただき、連携しながら作業を進めています。
ー 導入前と比べて、どのような変化がありましたか?
このお客様は、以前は別の業者様に活性炭交換を依頼されており、使用済み活性炭は産業廃棄物として処理されていました。また、交換時には新品の活性炭を使用していたため、相応のコストがかかっていました。
弊社では、使用済み活性炭を有価で引き取り、再生して活用します。
そのため、従来と比べて約50〜60%の費用負担で作業を実施できていると思います。
ー 現場の方の作業負担も変わりますか?
基本的に交換作業は弊社の作業員が行うため、お客様側での作業はほとんどありません。活性炭は黒色のため、手で触ると汚れやすく、水も活性炭と混ざることで黒く濁ることがあります。こうした入れ替え作業をまとめて委託できる点は、大きなメリットだと考えています。
お客様にお願いしているのは、交換作業前に活性炭塔内の水を抜いておいていただくことです。
ー 現場の方からはどのような反応がありますか?
丁寧な作業を心がけていますが、どうしても細かい活性炭の粒がこぼれたり、周囲が少し汚れたりすることがあります。そのため、作業後はほうきや水を使って清掃してから撤収しています。
現場の方からは「きれいに作業してくれますね」といったお声をいただいています。
ー 今後、期待していることはありますか?
近年はSDGsへの関心の高まりに加え、原材料価格の上昇などにより、活性炭の費用が高騰しています。新品の活性炭を購入する場合、以前よりも大きなコスト負担になるケースがあります。
再生活性炭も価格は上昇傾向にありますが、新品の活性炭と比べても品質はほぼ変わらず、産業廃棄物の削減にもつながります。現在活性炭をお使いのお客様は、弊社にお見積りをご依頼いただければ、現在のランニングコストと比較し、どの程度メリットが出るかをご提案できます。ぜひ一度ご検討・お問い合わせください。
ー ありがとうございました。
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