水質汚濁防止法に関する関連用語と基礎知識
水質汚濁防止法には「特定施設」「総量規制」など、日常では馴染みの薄い専門用語も多く、わかりにくいという方も多いと思います。

本記事では、水質汚濁防止法の基本的な考え方や関連用語、事業者に求められる義務について、分かりやすく整理して解説しています。
1. 水質汚濁防止法とは?
水質汚濁防止法は、1970年に制定された「国民の健康保護」と「生活環境の保全」を目的とした法律です。
主に以下の3点を通じて、公共用水域および地下水の汚濁防止を図っています。
- 工場・事業場から公共用水域へ排出される水の規制
- 地下へ浸透する水の規制
- 生活排水対策の推進
公共用水域とは、河川・湖沼・海域およびそれらに接続する水路を指します。
2. 水質汚濁防止法に関連する主要用語
水質汚濁防止法には、排水管理に関する専門用語が多く登場します。ここでは特に理解しておくべき5つの用語を整理します。
2-1. 特定施設
汚濁物質を含む排水を発生させる可能性のある設備を「特定施設」と呼びます。
例:表面処理装置、ガラス研磨洗浄施設、廃ガス洗浄施設など
特定施設の種類は多岐にわたり、判断が難しい場合は自治体の環境担当部署や専門業者への確認が推奨されます。
2-2. 一律排水基準
国が全国一律で定めている排水の許容限度です。 健康項目(有害物質)と生活環境項目の2つに分類されており、排水1リットルあたりに含まれる汚濁物質の濃度が規定されています。
例:
・BOD(生物学的酸素要求量):160mg/L
・COD(化学的酸素要求量):160mg/L
・SS(浮遊物質量):200mg/L
・鉛及びその化合物:0.1mg/L
・ジクロロメタン:0.2mg/L
参考: 一般排水基準 | 水・土壌・地盤・海洋環境の保全 | 環境省
2-3. 上乗せ排水基準(例:六価クロム)
国の一律排水基では、水質改善が不十分として自治体が条例により独自に定める、より厳しい基準を「上乗せ排水基準」といいます。
例:六価クロム
国の基準:0.05mg/L
東京都の条例:0.02mg/L
自治体によって基準値が異なるため、事業場所在地の条例確認が不可欠です。
2-4. 横出し基準
水質汚濁防止法の規制対象外となる物質や業種に対し、自治体が独自に定める基準を指します。 特定施設がなくても、排水の性状によっては条例により規制される場合があります。
2-5. 総量規制基準
東京湾・伊勢湾・大阪湾・瀬戸内海などの閉鎖性海域に隣接する自治体では、 1日あたりの平均排水量が50m³以上の事業場に対し、濃度ではなく「総量」で規制する制度が適用されます。
対象項目:
COD
窒素
りん
3. 事業者に義務づけられている事項
水質汚濁防止法では、事業者に対して以下の義務が定められています。
3-1. 自治体への届出
特定施設に関する変更が生じた場合、自治体への届出が必要です。
届出が必要となる主なケース:
・特定施設の新設・更新
・構造や処理方法の変更
・特定施設への指定
・代表者・所在地の変更
・使用廃止
・譲渡
3-2. 排水の測定・記録・保存
特定施設の届出書に記載されている項目について、 年1回以上の測定および3年間の記録保存が義務付けられています。
3-3. 義務違反に対する罰則
- 届出を怠った場合 → 3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
- 測定・記録・保存を怠った場合、虚偽報告を行った場合 → 30万円以下の罰金
- 排水基準を超過した場合 → 懲役または罰金
罰則を受けると事業者の社会的な信用が損なわれます。義務は必ず守りましょう。
4.まとめ
水質汚濁防止法は、法令の理解だけでなく、現場の運用や設備の状態によっても遵守状況が大きく変わります。 マツケンでは、排水処理に関する専門知識と実務経験をもとに、以下のような支援を提供しています。
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